年齢を超えた人間同士の「関わり」を大切に 地域のコミュニティー形成をめざして画像
卒業生インタビュー
亀澤 正隆 さん 、亀澤 彩香 さん
正隆さん
2007年度理学療法学科卒業生
社会福祉法人真正会 開地保育園 園長

彩香さん
2007年度福祉心理学科卒業生
デイサービスいろは 施設長

共に山梨県立桂高校(現都留興譲館高等学校)出身
年齢を超えた人間同士の「関わり」を大切に 地域のコミュニティー形成をめざして

小春日和のあたたかな風が吹く中、亀澤さんご夫婦があたたかく迎え入れてくださったのは、もうすぐオープンするというデイサービスの建物。新しい木のにおいのするこの開放的な空間に、地域のお年寄りの笑い声が響くのも間もなくだ。傍らでは、すでに数名のスタッフがオープンに向け準備をしている。
お二人は、それぞれ理学療法学科と福祉心理学科の卒業生。卒業後は専門家としてそれぞれ違う職場で働いてきたが、かねてからの夢はこのデイサービスを開所することだった。施設のすぐ隣には数年前にご両親から運営を引き継いだ保育園があり、正隆さんは施設長として、また、彩香さんは社会福祉土の知識を生かし、療育アドバイザーとして子育て支援事業に携わっている。
「日々自分たちと同世代のご両親と接している中で、子どもさんとどう接したら良いのか、どう育てたら良いのかで悩んでいるお母さんが増えています。過疎が進む地域ですから、地域の方とのふれあいも少ないですし、核家族化などで親と同居をしていない方も多いのが現状です。子育てでわからないことはインターネットで調べて、書いてある通りにいかないと不安になる、そんな相談もあります。そういう現状を知る中で、親も子どもも、日常的にさまざまな世代の方と関わりながら生活をしていく事が大切なのではと感じます」。
若いお二人にとって、デイサービスを開所することは決して簡単なことではなかった。経営者としての設置申請、地域の方との関係づくりなど、初めてのことも多く、地道な作業に息づまることもあった。しかし、そんな過程を経ながらさまざまな方との出会いや学びもたくさんあったと正隆さんは話す。「施設を作ろうと思ったきっかけは大きく二つあります。一つは、患者さまが退院して自宅に戻られた後の体調維持に関することです。特に高齢の方は、退院後も体の機能を維持する訓練を続けなければまたすぐに衰えてしまいます。それには、適所リハビリやデイサービスに通うケースが一般的なのですが、都市部と違い、この地区はそういった病院や施設に恵まれていなかったことです。もう一つは、保育園の園児とお年寄りが触れ合う場所を設けたかったことです。子どもたちもお年寄りも昔に比べ、触れ合う機会が少なくなっています。子ども達の元気なパワーをお年寄りにも共有してもらうことで、体だけでなく心も元気になってもらえたらと思っています」。
二人が共通して大切に捉えているのは、地域における人間同士の「関わり」。その第一歩が今回のデイサービスの聞所だ。これからの目標は、デイサービスや保育園を基盤に、さまざまな行事などを通じて地域の人々が世代に関係なく、学びや遊びなど、人と関わり合える機会と場所を作ることだと言う。
私たちは、「家族」「会社」「友人関係」などさまざまなものに属している。しかし、「地域」というコミュニティーの存在については時に忘れがちだ。自分の住んでいる地域をもう一度見直し、そこで生活する人と関わることで新しい出会いや、学び、そして人としての成長が得られるかもしれない。

※デイサービス(適所介護)
送迎パスによってデイサービスセンターに通い、さまざまなレクリエーションのほか、食事や入浴といった生活援助サービスを合わせて受けることができるサービス。閉じこもりがちな要介護者が外出して、家族以外の人と交流する機会としても有効で、介護保険サービスのなかでも高い人気がある。

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