【掲載(国際誌International Journal of Molecular Sciences】肥満や糖尿病における免疫機能低下の機序解明に貢献
2021年3月29日
肥満や糖尿病における免疫機能低下の機序解明に貢献
高脂肪食はマウスの小腸粘膜固有層におけるIgA細胞の増加を抑制する
■概要
坂本祐太助教(健康科学大学理学療法学科)、丹羽正利教授・村松憲准教授(杏林大学)、志茂聡准教授(健康科学大学作業療法学科)らの研究グループは、腸管粘膜の免疫において重要な働きをする小腸絨毛内の免疫グロブリン(Ig)A細胞数が、肥満糖尿病モデルマウスでは抑制されることを、世界で初めて明らかにしました。
本研究成果は、「International Journal of Molecular Sciences」に掲載されました(2021年1月25日)
■今後の展望と課題
この成果は、肥満者や糖尿病患者の感染のしやすさや感染症が重症化しやすい機序を、腸管免疫の視点から検証、解析したものです。今後は様々な臓器での免疫細胞の変化について詳細に解析し、肥満や糖尿病による免疫機能低下に対する感染症予防・治療法の開発に貢献していきたいと考えています。
■研究助成
本研究は次の助成を受けて行われました:文部科学省科学研究費補助金[20K19690(坂本)、18K17945(志茂)、15K21474(志茂)]、健康科学大学(坂本)。
■論文情報
タイトル:High-Fat Diet and Age-Dependent Effects of IgA-Bearing Cell Populations in the Small Intestinal Lamina Propria in Mice
掲載雑誌:International Journal of Molecular Sciences. 2021; 22(3):1165.
https://doi.org/10.3390/ijms22031165