自宅での暮らしを自分らしく。在宅ケアの新しい可能性を切り拓きたい。画像
卒業生インタビュー
横井 健太 さん
東京都内訪問看護ステーション 作業療法士

2006年度作業療法学科卒業生
愛知県 東邦高等学校卒業生
自宅での暮らしを自分らしく。在宅ケアの新しい可能性を切り拓きたい。

 1期生として健康科学大学を卒業した横井さん。病院に入職し、作業療法プログラムの立ち上げを経験。リハビリがなかった病院で新しいケアの定着に奔走しながら、作業療法士として5年間リハビリに携わった。そこで興味を持ったのが患者さんの〝退院後〞の暮らし。「実は自宅に不要なモノがあふれて生活に支障があったり、ご家族との関係がうまくいっていなかったりと、通院時には見えない課題を抱えている方も多い。退院後の暮らしもケアしたいと思い東京都八王子市の訪問看護ステーションへの転職を決意しました」。
 訪問看護ステーションは、病院の医師・看護師・精神保健福祉士、自治体の職員・保健師などと連携しながら、利用者さんの暮らしを支援する事業所だ。現在、横井さんは精神疾患のある利用者さんの在宅ケアを担当。病院や施設と違って利用者さんの生活に関わるため、在宅ケには難しさがあるという。「病院と違って〝退院〞というゴールがないため、本人が『どういうゴールを目指したいか』という部分を、しっかり理解して寄り添うことが大切です。そのために何ヶ月もかけて信頼関係を深めることが不可欠。例えば自宅にあふれる不用品があれば『捨てたらいい』ではなく、利用者さんがどういう暮らしをしたいのかに目線を合わせて解決策を考えていくんです。在宅ケアにゴールはありませんが、私たちの関わりによって再び社会に出て働き始めた方もいます。そんな姿を見るのはとても嬉しいですね」。
 在宅ケアでは、利用者さんだけでなくご家族のケアも重要だ。「ご家族の関わり方によって、利用者さんも変わってくる。過保護すぎる場合には適切な方法を一緒に考えたり、家族のコミュニケーションの間に入ったり。作業療法士という枠にとらわれず広範囲でケアを行っています」。よりよいケアのたにも積極的に行っている横井さん。大学時代の友人と連絡を取り合ったり、勉強会で恩師と話したりと、在学中に得た交流関係が卒業後に大きな力を発揮しているという。
 横井さんが活躍する地域では、在宅ケアをしながら社会生活を送るための訓練を行える施設が増えつつあるという。全国的にも病院も精神疾患を持つ患者さんの入院期間を短縮する傾向にあり、患者さんの受け皿となる事業所のニーズは増えている。そんな中、〝作業療法ステーション〞をつくりたいというのが横井さんの夢だ。「精神疾患のある方が、気軽に相談できるような場があるといいなと思うんです。作業療法の可能性をもっと広く発信していきたいですね」。

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