患者さんが“達成感”を持って課題を乗り越え、安心できること。それも大切な「医療」だと思う。画像
卒業生インタビュー
中村 成一郎 さん
山梨県内総合病院 医療ソーシャルワーカー

2008年度福祉心理学科卒業生
山梨県立日川高等学校卒業
患者さんが“達成感”を持って課題を乗り越え、安心できること。それも大切な「医療」だと思う。

 健康科学大学の福祉心理学科で学んだ後、児童福祉を学ぶため教育委員会に就職。その後、山梨病院に入職し、現在は地域連携室の社会福祉士として医療福祉相談を担当する中村さん。「患者さんは病気やけが以外にも、さまざまな困りごとや悩みごとを抱えています。医療費に関する困りごと、転院の手配、社会制度に関する問い合わせなど、あらゆる相談に応じるのが私の仕事。内容は多種多様です。心配ごとが解決されて患者さんが治療に専念できることが私のゴールです」。
 医療に携わる職業をめざすきっかけになったのは、両親が医療系の仕事をしていたことだという。「中でも興味を惹かれたのが、ソーシャルワーカー。直接心や体に働きかける医療行為ではなく、社会的背景などの環境に間接的にアプローチしていくことで患者さんを支援することに魅力を感じたんです。もともと人と関わることが好きだったことから、個性を生かせるのではないかと思い、社会福祉士をめざしたんです」。
 しっかりとした口調で語る中村さんが患者さんとの関わりで重視しているのが、「患者さん自身が達成感を得られるかどうか」ということ。患者さんの相談ごとに対して一方的に答えを用意するのではなく、あくまで患者さんとともに考えるという姿勢を大切に、一人ひとりの生活環境や事情、希望などを考慮してその方に合った方法を〝一緒に〞模索していくことを意識しているという。「中には『治療したくない』『自宅に帰りたい』と医療行為に後ろ向きの方もいらっしゃいます。そんな方に対しては、別の治療方法を考えたり、療養環境を整えたりと、一緒に解決方法を探っていきます。私たちの支えによって患者さんが自分の力で課題を解決できた時、納得できる、よりよい医療が可能になる。そのために必要なのは〝チーム医療〞の力です」。そのため、他部署だけでなく、地域の病院や関係機関と連携できるようにネットワークづくりにも取り組んでいるのだという。
 実は中村さんが健康科学大学への入学を決めたのは、「理学療法士や作業療法士などの他学科と連携して〝チーム医療〞を学びやすいコンパクトな規模感だった」からだそう。実際、キャンパスの食堂で一緒になった他学科の仲間と実習や授業の内容を共有することも頻繁だった。「就職した今も、県内外問わず他学科の卒業生と情報交換していますよ。恩師とも今も連絡を取り合っていて、現場での悩みやわからないことなどにアドバイスをもらうこともありますね。先日は、母校に招いてもらって講師を務めました。チーム医療を学べたこと、多くの仲間に恵まれたことは、大学時代に得た素晴らしい財産です」。
 中村さんには、もう一つ大学で得た財産がある―それは〝学びは自分で求めるもの〞という恩師からの言葉だ。その言葉を胸に、病院内外のさまざまな垣根を越えて活躍する〝チーム医療〞の要となるべく、中村さんの研鑽はこれからも続く。

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